6月にNTTドコモの社長に就任した前田義晃氏(54)が4日、共同通信のインタビューに応じ、新たに銀行業へ参入する意欲を示した。M&A(企業の合併・買収)を通じた参入だけでなく、自前での銀行の立ち上げも検討すると表明。「具体的にどのように取り組むのか、本年度中に決定したい」と語った。
ドコモは1月にマネックス証券を子会社化するなど金融事業を強化しているが、グループ内に銀行がない。携帯大手他社は自前の銀行があり、ドコモが新たに銀行を持てば、決済サービスや共通ポイントを含めた顧客の囲い込み競争がさらに激化しそうだ。
前田氏は、傘下に銀行があれば「複数の金融サービスを連携させ、ワンストップでシームレス(切れ目なく)に使える」と利点を強調。マネックス証券の口座への円滑な資金移動のほか、ドコモの通信料金を銀行口座から払う際の手数料優遇なども実現し「お客さまに『お得感』を還元したい」と述べた。
ドコモは現状、三菱UFJ銀行と協業。同行の銀行口座を利用すると、条件に応じて共通ポイント「dポイント」がたまる「dスマートバンク」を提供しているが、より利便性を高める方針だ。
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