▼風力発電機 風の力で風車を回し、回転する運動のエネルギーを電気に変える機械。主に「ブレード」「ナセル」「タワー」で構成され、海上に設置する場合は発電機を建てる「基礎」が必要になる。ブレード(羽根)の形状や素材などについて、プロペラの回転を動力とする航空産業の知見や部品がいかせることから、開発では欧州企業が先行してきた。

足元では陸上より安定して強い風が吹き、10メガワット超の大型風車も設置できる洋上風力の開発が急速に進んでいる。世界風力会議(GWEC)によると世界で2023年に導入された洋上風力は11ギガワットと全体の1割にとどまるが、28年には約31ギガワットに拡大する見通し。

風力発電は増加傾向が続く一方、発電機メーカーは原材料高や金利上昇などで経営環境が厳しい。欧州最大手のデンマークのベスタスは風車の納入減が響き、24年1〜3月期の決算で7500万ユーロ(約130億円)の損失を計上した。中国では発電電力を高く買い取る固定価格制度が21年までに終了して以降、競争が激化した。米ブルームバーグNEFの陳相羽氏は「シェア獲得のために、利益率を犠牲にして価格を抑えるメーカーが増えている」と指摘する。

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