特派員が様々なモノの値段を調べる世界お値段調査隊。ラーメン、都市鉄道の初乗り、スターバックスのラテに続く第4弾はユニクロでした。2万円で何をどれだけ買えるのかを調べたところ最も安いのは日本で、米ニューヨークの半分という結果になりました。価格、ご当地アイテム、ユニクロの歴史の連載をまとめてお届けします。
一時帰国で大量買い
日本のユニクロで2万円を使うと、カーゴパンツ1点、Tシャツ3点、パーカー2点、ラウンドミニショルダーバッグ2点を買えます。ところが、米国、英国、ドイツではカーゴパンツとTシャツとパーカー計3点しか買えません。
シリコンバレーの中藤玲隊員は日本への一時帰国の際にユニクロで大量買いするそうです。東京・豊洲で「インバウン丼」が話題となりましたが、海外の人からすると円安が進む日本のモノはとにかく安く映ります。
- ㊤世界でユニクロ2万円コーデ!価格とブランド戦略に迫る
ユニクロは着るメディア
「服そのものが、コンテンツを発信するメディアのようになっているんです!」。バンコクの赤間建哉隊員から興奮気味に報告があったのは6月上旬のことでした。ご当地アイテムにフォーカスを当てるべく取材していたところ、映画やアニメのキャラクターがTシャツとコラボして世界を駆け巡っていることが分かりました。
服を通じた文化の発信です。赤間隊員がミッキーマウスがトムヤムクンの写真を撮るTシャツを見て「超絶かわいい」とつぶやいたように、ファンは世界に広がっているようです。
- ㊥ユニクロは「着るメディア」 世界の街・食・アニメ融合
「安売り」返上に20年
3回目はユニクロの値段の歴史。筆者はユニクロに詳しい編集委員の杉本貴司隊員でした。お値段調査隊は海外支局の記者限定ですが、杉本隊員はかつてニューヨーク特派員だったこともあり、特別に入隊してもらいました。
ユニクロの値段が上がったと感じる人は少なくないかもしれませんが、じつは店舗1平方メートルあたりの売上高や客単価はこの20年であまり変わっていません。「脱安売り」を目指して高価格帯の商品を投入したり、高機能商品を出したりすることでブランドイメージを変えてきた歴史があります。
- ㊦ユニクロ「安売り」返上に20年 GUで自ら退路断つ
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外国為替市場で円安傾向が続いています。日米金利差だけでなく、国力の低下を反映しているという指摘があります。円安はインバウンド(訪日外国人)消費を促しますが、日本に住む人の購買力は下がり、海外旅行は高根の花です。
調査隊には、日本の品質の良いモノがこれほど安くていいのか、という問題意識があります。これからも様々な「お値段」を比べることで、世界と日本との違いをお伝えしていきたいと思います。
【ラーメン編】
- お値段調査隊の第1弾はラーメンでした。最も高かったのはニューヨークで1杯3000円超。それでも現地の人は列をなします。リンクはまとめ読みです。
- 世界ラーメンHOW MUCH? 1杯に見えた安いニッポン
- 【都市鉄道初乗り編】
- 第2弾は都市鉄道の初乗り運賃です。全11都市の鉄道について調べたところ、欧米とアジアの価格差が鮮明に出ました。ロンドン地下鉄の映像もあります。
- 世界鉄道HOW MUCH? 米欧アジア価格差が映す現在地
- 【スタバのラテ編】
- 第3弾では、各国の平均収入データから「もし1日の収入を全てスタバのラテにつぎ込んだら」という「スタバ物価指数」をはじき出しました。日本の収入の低さが際立つ結果になりました。
- スタバ指数で見えた日本の「買う力」 米欧韓に見劣り
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