電機業界では、シャープが26日に社長交代を発表しました。株主総会前日の異例の人事で業績不振に対する事実上の引責とみられます。後任には生え抜きの沖津雅浩氏(前副社長)が就きました。液晶パネル中心だった事業の転換や親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業との連携など、どのような再建策を打ち出すかが問われます。電機セクションの1週間の注目ニュースを振り返ります。
- ・シャープ沖津氏が社長に 株主総会前日、異例の引責人事
- ・シャープ呉社長、成果なき退任 堺工場巡り鴻海と隙間風
ソニーGvs日立、時価総額を逆転・再逆転
27日、日立製作所の時価総額が約9年ぶりにソニーグループを上回りました。生成AI(人工知能)での成長が期待され、20年に12兆円あった差が埋まりました。ただ、翌28日にはソニーGが時価総額で再逆転。「総合電機」のトップの座をかけ、株式市場での両社のつばぜり合いが続きます。なお、日立は株価に連動しやすい役員報酬制度を導入しているため、2024年3月期に1億円以上の報酬を得た役員が前の期から7割増え、34人となりました。
- ・日立の時価総額、9年ぶりソニーG超え AI×電力株に進化
- ・日立製作所、役員報酬1億円以上が34人 国内で歴代最多
- ・ソニーグループ社長「知的財産の買収に関心」 株主総会
- ・高額株分割ラッシュ 日立やソニー、新NISAの個人照準
エアコン出荷、猛暑で好調 前倒し購入も
日本電機工業会(JEMA)が発表した5月の白物家電の国内出荷額によると、エアコンの出荷額は前年同月比18.7%増の949億円となりました。最近は本格的に暑くなる6月は品薄になることも多く、前倒しで購入を検討する消費者も増えているようです。シャープとNTTドコモは電力使用量の多い時間帯にエアコンの設定温度を遠隔で調整する実証実験を7月から始めます。
- ・白物家電の国内出荷5月6%増 猛暑にらみエアコン好調
- ・シャープ、家電の電力制御でドコモと連携 7月から実証
- ・ネイチャー、スマートリモコン刷新 エアコン自動節電
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