デンマークのノボノルディスクの日本法人は28日、肥満症では約30年ぶりとなる治療薬「ウゴービ」の使用状況について説明した。2月の発売から4カ月が経過し、同社は「処方された全数を調査したところ、不適正使用と思われる処方例は確認されなかった」と報告した。
ノボノルディスクは2月22日に、GLP-1受容体作動薬「ウゴービ」を日本で発売した。既存の薬や治療法に対して高い効果を得られるなどの点で注目が集まる一方、美容目的など不適切な使用が懸念されていた。
同社は発売以降、ウゴービを処方した医師や医療機関に対して、医薬情報担当者(MR)を通じて聞き取り調査を実施した。不適正な使用とみられる処方は確認されなかったという。同社はウゴービの流通に関して、特定の医薬品卸と協力するなどの対策を取っている。
ウゴービの利用者は体格指数(BMI)が27以上、かつ高血圧など2つ以上の肥満に関連する健康障害があること、またはBMIが35以上という規定がある。さらに「高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかがあり、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない患者」が対象であり、使用できる範囲は絞られる。
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