松江市は、松江城周辺の建物の高さを規制する景観基準の見直しに乗り出す。市の景観審議会に近く諮問する。松江城天守からの眺めを妨げないことを条件とする眺望基準の強化が柱となる。景観審に専門委員会を設け、高さや制限区域などの検討を速やかに進める方針で、市は来年4月の施行を目指す。

眺望基準を巡っては、松江城近くの高層マンション(地上19階)の計画が景観審で認められ、既に建設に着工している。歴史的景観への悪影響を懸念した反対運動が起きているほか、景観審の一部委員が審査やり直しを求めている。

記者会見する松江市の上定昭仁市長(18日、松江市役所)

現在の眺望基準は、松江城天守からの宍道湖や山の稜線の眺望を妨げないことが条件となっている。今回の見直しでは基準をより明確にしたうえで、街並みとの調和なども考慮した内容となる見通し。

あわせて、武家屋敷が残る塩見縄手地区などについても、建物の高さや制限区域といった基準の見直しを諮問する。上定昭仁市長は18日の記者会見で「歴史的景観の保全と利便性のバランスを取る形で検討を進めてもらいたい」と述べた。

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