25日の東京株式市場でネクソン株が3営業日続伸し、一時前日比125円(4%)高の3045円をつけ年初来高値を更新した。5月21日に中国で配信を始めたスマートフォン向けゲーム「アラド戦記モバイル」の好調が材料。外資系証券会社が目標株価を引き上げたことも好感された。

アラド戦記モバイルは幻想的な世界を複数人で探索するロールプレイングゲーム。中国では騰訊控股(テンセント)が配信する。同社によると、売り上げは米アップルの「iOS」向けで4週連続の首位という。

東洋証券の安田秀樹氏は「ここまでのヒットは誰も予想していなかった」と話す。アラド戦記はもともと2005年にパソコン向けで配信を始めた長寿作品。「モバイル」は派生作で期待は大きくなかった。潜在需要を掘り起こしたことがサプライズとなった。

UBS証券は24日付で目標株価を3000円から3260円に引き上げ、投資判断も「買い」に変えた。UBS証券の翟翌佳氏は「少なくとも6カ月は上位5位内を維持できる」とし、24年中にネクソンの営業利益を約800億円押し上げると予想する。

とはいえ「勢いが1年後も持続する確証はなく、来期は今期の好成績を超えるハードルも高い」(翟氏)。市場の目線が来期に向くなか、それに続く有力タイトルの発表が注目される。

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