中国商務省は22日、欧州連合(EU)が7月4日からの実施を打ち出した中国から輸入する電気自動車(EV)への関税引き上げをめぐり、EUと協議を始めると発表した。中国の王文濤商務相とEUの行政を担う欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)がオンラインで話し合い、協議入りに合意したという。

 欧州委は今月12日、中国政府の補助金で中国製EVの価格が不当に抑えられているとして、補助金の効果を打ち消す最大38.1%の相殺関税を課す方針を発表。中国側が効果的な解決策をとらなければ7月4日から実行するとした。これに対し中国側は「EUが間違ったやり方を直ちに是正するよう求める」として対抗措置に踏み切る構えをみせていた。

 中国商務省によると、王氏は22日、中国を訪れたドイツのハーベック副首相兼経済気候相とも北京市内で会談した。王氏は、EUの姿勢に改めて不満を示し、話し合いによる解決のため、中国への自動車輸出が多いドイツにEU内で積極的な働きかけをするよう求めた。ハーベック氏は「対話を通じて問題を解決するという中国の提案に同意する」と応じたという。

 中国製EVをめぐっては、米国も8月から現在の4倍の100%の関税を課すことを決めている。(北京=鈴木友里子)

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