液体でサーバーを冷却するNTTコミュニケーションズの設備

 生成人工知能(AI)の普及で、世界の電力消費が急増するとの見方が強まっている。AIの学習のため、データセンターの電力需要が爆発的に増えるためだ。「人間が使う電気をAIに奪われる」(IT大手)との懸念もあり、NTTは電力消費を抑えたデータセンターやAI、ソフトバンクグループ(SBG)の傘下企業は省電力の半導体開発に投資している。

 NTTコミュニケーションズは5月、液体でサーバーを冷却し、空調に比べ電力を約30%節約できるデータセンターを、25年3月に国内で初めて商用化すると発表した。同社幹部は「電力不足はAIの進化の制約になり得る」として、対策を強化する。

 NTTグループが3月に商用化した自社開発の生成AI「tsuzumi(鼓)」でも、先行する「チャットGPT」に比べ大幅に消費電力を抑えた。

 SBG傘下で半導体設計の有力企業、英アームは電力効率の良い半導体を開発。SBGの後藤芳光最高財務責任者(CFO)は5月の記者会見で、AIの進展に向け「アームの省電力性能は非常に価値がある」と強調した。

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