独BMWの日本法人は1日、新しいコンセプトのブランド発信拠点を東京都港区に開業した。車は販売せずに、希少価値の高い車両やインテリアの展示、衣料品の販売を通してブランドの魅力を伝える。レストランやカフェも併設して、これまで接点のなかった新たなファンの獲得を狙う。
新拠点の名称は「FREUDE by BMW(フロイデ バイ ビーエムダブリュー)」。麻布台ヒルズ(東京都港区)のタワープラザ、1〜2階に設けた。フロイデはドイツ語で「歓(よろこ)び・歓喜」を意味する。店舗のコンセプトは「人生に、駆けぬける歓びを」。歓びを感じてもらう発信拠点にしたいとの思いを込めている。
新拠点ではあえて車を販売しない。展示物の観賞や食事の提供を通して誰でも気軽に楽しめる施設にした。
1階の展示スペースにはモーターショーなどで披露したコンセプト車や歴史的な車両を展示する。店舗内のいたるところにはBMWを象徴するフロントグリル「キドニーグリル」を模したインテリアや、歴史をまとめた展示物によってブランドの世界観を体感できる。
入り口から見えるスペースにはドイツの伝統と日本の食材を融合した飲食物を提供するカフェバーを設けた。日中はカフェ、夜はアルコール飲料を提供するバーになる。「豊西牛ソーセージ」や「大山鳥のローストチキン」など、本格的な食事も提供する。
2階には日本料理を提供するレストラン「無題」を設けた。8席限定で、メニューは激選した食材を用いた季節のコースのみ。ほかのエリアとは異なり、木材や石材を用いた。黒が基調の空間で、ゆっくりと食事を楽しむことができる。
2階にはBMWのクラフトマンシップ(職人魂)を体感するアトリエを設けた。多数あるサンプルの中から車両の内外装の色や素材を選んで自分でデザインする「オーダーメイドプログラム」を提供する。カスタマイズしたデザインを基に他の販売店で実車を発注することもできる。
同社は電気自動車(EV)の拡販にも力を入れる。新拠点が入居する麻布台ヒルズの地下駐車場にはEVの充電拠点を設けた。普通充電器11台と最大出力150キロワットの急速充電器1台を設置した。インフラの整備を進めてユーザーの利便性を高める。
BMWの日本法人、長谷川正敏社長は「(今後も)この拠点でしか見られない、体感できないものを提供していく」と意気込んだ。(大倉悠美)
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