日本製鉄は去年12月、USスチールを買収することで両社の間で合意し、USスチールの株主総会で承認された一方、鉄鋼業界の労働組合が反対し、バイデン大統領とトランプ前大統領が組合側に寄り添う発言をするなどことし11月の大統領選挙に向けた思惑が絡む状況となっています。

こうした中、会社は、買収完了の時期を当初の計画のことし9月から、ことし12月までに延期しました。

21日、日本製鉄は株主総会を開き、会社によりますと、橋本英二会長が株主に対し「世界一の鉄鋼メーカーになるにはアメリカ市場で成長する必要がある。USスチールは当社の収益性に劣らない収益を出していて、当社の業績への貢献も大きいと考える」と述べ、買収の完了を目指す方針を説明したということです。

総会のあと、70代の株主は「経営計画全体の中でUSスチールの買収がどのような位置づけになるのか非常にわかりやすく説明された。ぜひ実現してほしい」と話していました。

また、60代の株主は「予定外の事態が起こったときに慌てて行動を起こすのではなく、いろんな次善の策を考えて行動してほしい」と話していました。

日本製鉄は、買収の手続きに必要となるヨーロッパやメキシコなどアメリカ以外の規制当局の承認はすでに取得し、会社の幹部がアメリカへの訪問を重ねて各方面への働きかけを続けています。

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