21日午前の東京外国為替市場で対ドル円相場は円安が進み、一時1ドル=159円台まで下落した。約2カ月ぶりの円安ドル高水準となる。前日に米連邦準備制度理事会(FRB)の高官がインフレ(物価高)の抑制には時間がかかるとの認識を示したことで、米国の利下げ期待が後退したことなどが、円売りドル買いの材料となった。
前日の米ニューヨーク外国為替市場では、FRBの高官がインフレが落ち着くには「1年か2年かかるだろう」と発言したと伝わった。利下げに消極的な発言と受け止められ、米国の長期金利が上昇。日米の金利差の拡大が意識され、金利の高いドルを買う動きが強まった。
また、スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行が金融政策を決める会合を開き、前回3月に続いて2会合連続で利下げを決めた。これを受け、スイスフラン売りドル買いが進行。ドルを買う流れが円相場にも波及した。
21日の東京市場もこの流れが続いたことに加え、日本の総務省が発表した5月の消費者物価指数(2020年=100)の上昇率が市場予測を下回ったことから日銀の追加利上げが先送りされるとの見方が浮上。円売りドル買いにつながったとの見方がある。(山本恭介)
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