富士通は21日、長期の有償型インターンシップの募集人員を拡大すると発表した。インターンの期間は1〜6カ月間で、人数を段階的に増やし、2年後には現状比10倍の300人にする。併せて内定時に職務内容と処遇を決めて採用する仕組みを導入し、インターンでの活躍ぶりを採用選考でも加味する。
日本の大手企業で、長期有償インターンを100人以上などの大規模で実施するのは珍しいとみられる。富士通も従来は1〜2週間程度で業務を体験してもらう短期インターンが主だった。
長期インターンは実際の業務のプロジェクトに参加してもらう。入社後のイメージをつかんでもらい、雇用のミスマッチをなくす狙いだ。
従来の対象は研究・開発職とシステムエンジニアに限られていたが、営業職やコーポレート職などを含む全職種で受け入れるようにする。現在の給与は時給1400円からだが、インターン拡充後の給与は今後詰める。
富士通は職務内容に応じて処遇を決める「ジョブ型」を拡充し、新卒者にも適用する。部門と職種を決めて募集し、内定時には入社後の職務とそれに応じた処遇を提示する。26年4月入社の新卒採用から導入する。
学生時代の研究成果や学外の活動のほか、長期インターンでの活躍ぶりを判断材料に職務内容と処遇を決める。給与の上限はないものの、新卒者の大半が月31万5000〜38万5000円の間になる見込みだ。この場合、年収は600万円相当になるもようだ。
富士通は20年から幹部社員、22年からは一般社員を対象にジョブ型を適用している。
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