イオンは19日、夕食の主菜向けにプライベートブランド(PB)の冷凍商品を24品目で発売したと発表した。全国の総合スーパーなど約1070店で取り扱う。ハンバーグはチルド品のPBに比べて1個あたりの大きさを5割増やし、主原料も鶏肉から牛肉にした。常温で解凍できる魚加工品やトースターで調理できるコロッケなど、手軽に調理できる製品もそろえた。冷凍品の売上高を前年度に比べ2割増を目指す。
新商品は中〜高価格帯の「トップバリュ」ブランドで全国の総合スーパーや食品スーパーで販売する。「濃厚デミグラスソースハンバーグ」(1袋3個入り1058円)は主原料に牛肉を使って1個あたり150グラムと大きく、主菜としてのボリュームを確保した。賞味期限は1年で、備蓄需要も取り込む。
PBのハンバーグはチルド品でも取り扱っているが、主原料が鶏肉で1個100グラムと小さく、賞味期限は約1カ月だった。冷凍の新商品は高品質でありながら長期保存でき、電子レンジで温めてすぐ食べられる。1個あたりの価格は外食店より3分の1程度に抑えた。
サバの塩焼きなど常温解凍で食べられる魚の加工品を10品目、油で揚げずにトースターで焼くだけのコロッケなど3品目の揚げ物を用意した。
共働き家庭が増え、家族の生活時間が合わず、自宅で別々の時間に食事する「個食」が増えている。調査会社のマイボイスコム(東京・千代田)によると、2023年4月の調査で自宅で個食すると答えた割合は58%に達した。イオンは冷凍食品で「個食」需要を開拓する狙いで、今秋には副菜の冷凍PBも投入する。
イオントップバリュ(千葉市)の森真紀取締役は19日、東京都内で開いた説明会で「『食のパーソナル化』が進み、好みも生活時間もバラバラで食事の用意は日常の小さな不満になった。家族全員が満足いく生活を送れるような商品を開発していきたい」と語った。
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