決算発表を行うオリオンビールの村野社長(18日、那覇市)

オリオンビール(沖縄県豊見城市)が18日発表した2024年3月期の単独決算は、税引き利益が前の期比28%減の46億円だった。前の期に軍用地などの不動産売却益を計上した反動が大きい。売上高は観光客が順調に戻り、人流も活発化したことから15%増の249億円と好調だった。

事業別売上高は、主力ビール銘柄をリニューアルした酒類清涼飲料事業が12%増の206億円となった。特にビール類は米国や香港、韓国など海外向けの売上数量が14%増の7169キロリットルに伸びた。観光・ホテル事業は那覇市内の主力ホテルの改装効果もあって同28%増の43億円だった。

同社は6月10日、近鉄グループホールディングス(GHD)との資本業務提携を発表した。近鉄GHDが10%強の株を取得し、ホテル事業などで協力関係を深める。村野一社長兼最高経営責任者(CEO)は「近鉄グループの知見を様々な改善に活用したい。観光・ホテル事業は近鉄との連携で発展させたい」と語った。

新規株式公開(IPO)をめざす時期について村野氏は「粛々と準備している」と述べるにとどめた。

オリオンビールは19年3月、TOB(株式公開買い付け)で野村ホールディングスと米投資ファンドのカーライル・グループの傘下に入った。近鉄GHDにオリオンビール株を一部売却した後も、この2者が議決権比率の過半を占めている。

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