4月に就任したSMBC日興証券の吉岡秀二社長は17日までにインタビューに応じた。相場操縦事件で2022年に金融庁から処分を受けたことを踏まえ、「二度と起こさないために自律的に修正できる文化を根付かせることが大事だ」と述べ、再発防止を徹底させる考えを強調した。

同社は、大株主から買い取った株を投資家に転売する「ブロックオファー取引」を巡り、対象銘柄の株価を不正に買い支えていた。吉岡氏は、再発防止の取り組みに一定のめどが付いたのを機に社長に就任した。

同取引は現在も停止中。吉岡氏は「盤石な業務体制の構築に加え、ビジネス上のニーズが合致すれば(再開の是非を)検討したい」と話したが、時期は「全く未定だ」と述べるにとどめた。

力を入れたい分野に関しては、「富裕層ビジネスを中長期的な成長ドライバーにしたい」と指摘した。顧客評価が高い資産のリスク分析サービスについて、機能を高めた上で提供対象を拡大。従来は約2万口座だったが、6月に約63万口座に広げ、預かり資産を増やしたい考えだ。リーマン・ショック級の金融危機などが起きた場合、資産がどう変動するか可視化し、将来のリスクに備えた資産運用の提案に役立てる。

インタビューに答えるSMBC日興証券の吉岡秀二社長=4日、東京都千代田区

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。