アダストリアは17日、生活雑貨を展開する「トゥデイズスペシャル」と「ジョージズ」の2ブランドを取得すると発表した。これらは高級食品や雑貨を扱う「ディーン&デルーカ」を手掛けるウェルカム(東京・港)が保有するブランド。7月1日付で同社から譲り受ける。雑貨類の扱いを拡大し顧客層を広げる。
買収額は非公表。アダストリアへのブランド譲渡に向けウェルカムはまず、完全子会社トゥデイズスペシャル(東京・目黒)を設立した。同社が吸収分割の手法でウェルカムから2つのブランド事業を承継する。その後にアダストリアがトゥデイズスペシャルの全株式を取得する枠組みだ。
アダストリアはアパレルブランド「グローバルワーク」などを柱に事業の多角化を進めている。M&A(合併・買収)を積極活用しているほか、会員数約1750万人の自社EC(電子商取引)「ドットエスティ」の強化を重点分野に掲げる。取得する2ブランドの売上高は合計で年30億〜35億円ほどだが、EC比率は現状1割にも満たず開拓余地が大きい。今後、実店舗の新規出店のほか、ドットエスティへの出店も予定する。
トゥデイズスペシャルは、都市部のファッションビルを中心に8店舗、ジョージズは大型のショッピングセンターを中心に16店舗を展開している。
アダストリアの木村治社長は17日、日本経済新聞などの取材に応じ「成長に向けてM&Aを過去に複数回しており、様々なブランドが成長している」と話した。その上で「(これまでの)成功体験を生かして2ブランドをさらに成長させられる」と事業拡大に意欲をみせた。
(米田百合香)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。