クラフトコーラで世界を目指す伊良(イヨシ)コーラ代表 小林隆英さん(34)

 お酒が苦手で、飲み会ではコーラばかり飲んでいた。誰もが知るこの飲み物にひかれ、欧州や南米で現地のコーラを飲み歩いた。クラフトコーラの会社をつくり、「コーラ小林」と名乗る。

 大学院修了後、大手広告会社に勤めながら、ネットで見つけた100年以上前のレシピを手がかりに独自のコーラづくりを始めた。

 母方の祖父は漢方薬の材料を作る職人。東京・下落合の神田川沿いにあった工房に残された資料や道具を生かし、スパイシーな風味と複雑な味わいが特徴のレシピにたどり着いた。商品名は祖父の名前・伊東良太郎にちなんだものだ。

 シナモンやクローブ、カルダモン、コリアンダー、コーラの実、レモンやライムなど10種類前後のスパイスや柑橘(かんきつ)類を使う。大事なのは原材料の組み合わせや調合割合よりも、それぞれの加工方法にあるという。「パウダーにして入れたり、抽出液にしたり、蒸留したり。どう加工するか、レシピの正確な中身を知っているのは私だけ」。東洋の世界観で差別化を図るために、高麗人参(にんじん)といった漢方に使われる材料も取り入れる。

 キッチンカーから始めた事業は拡大し、いまや一部の高級スーパーやコンビニでも売られるように。台湾など海外への輸出にも力を入れる。「コーラは生活に浸透したスペシャルドリンク。いつか『コカ、ペプシ、イヨシ』と言われたい」

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