パナソニックHDの技術開発について説明する小川執行役員(14日)

パナソニックホールディングス(HD)で技術部門を統括する小川立夫執行役員は14日、日本経済新聞社などの取材に応じ、HDが主導して進める事業開発の体制を2024年度に刷新する考えを明らかにした。これまではグループ内の既存事業に紐付いた初期開発をHDが担ってきたが、他社との連携を前提にした新しい技術開発などにHDとして取り組めるよう環境を整えていくとした。

小川氏は「リソースが限られていることを考えると、全て自前で開発することは難しい」と述べた。環境負荷の少ないエネルギーやコミュニティーの活性化に関わる分野を今後の重要テーマにあげ、事業化に向けて他社との連携を加速させる方針を示した。

パナソニックHDは23年9月、自社の研究開発の取り組みを外部に公開するフォーラムを開いた。小川氏は「我々の想定しているものとは全く違う用途を示された技術もあった」としており、外部に技術や研究テーマを公開するメリットを強調した。同様のフォーラムは門真地区に新たな研究開発部門の建屋が完成する25年にも実施するとしている。

環境負荷軽減に向けた取り組みでは、リサイクルや再利用を前提とした家電の設計に引き続き力を入れていく方針を示した。小川氏は「時計などのように、代々受け継がれていくような家電を作っていきたい」と述べた。設計の見直しに加えて、交換部品を長く供給できるようにすることで、家電を長く使い続けてもらえる仕組みを整える。

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