高島屋は鈴木弘治前会長のお別れの会を開き、百貨店の取引先関係者らが参列した

高島屋は14日、4月16日に78歳で亡くなった鈴木弘治前会長のお別れの会を帝国ホテル(東京・千代田)で開いた。百貨店の取引先関係者ら約1500人が参列し、鈴木氏をしのんだ。鈴木氏は社長や会長を歴任し、約20年間にわたり高島屋の経営を率いた。

出席した村田善郎社長は「本質を見極める洞察力、全体を見る大局観、物事の判断力を兼ね備えた唯一無二の経営者だ。かっこいい男だった」と述べた。村田社長が鈴木氏から体調の悪化を理由に会長を退任すると聞いたのは2月中旬。直前まで村田社長や役員に日々電話で仕事の指示を出していたという。「最後の最後まで会社のために第一線で動いていた」

鈴木氏は神奈川県鎌倉市出身。1968年に高島屋に入社した。東京店(現日本橋店、東京・中央)の家具売り場を振り出しにキャリアを積み、労働組合委員長も務めた。取締役経営企画室長としてJR東海との共同出資でジェイアール名古屋タカシマヤ(名古屋市)の開業に向けた交渉をまとめるなど経営企画畑を歩み、2003年に社長就任。店長の経験なく社長に就いた異色の経歴だった。

百貨店の経営統合が相次いだ2000年代前半には阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリングとの経営統合も模索した。まちづくりを経営戦略の中枢に掲げ、現在の成長事業である商業施設開発を推し進めた。14年に会長就任。24年2月に会長を退き、取締役特別顧問に就いていた。

【関連記事】

  • ・故・鈴木弘治さん(元高島屋会長) 親分肌でグループ「統一」
  • ・高島屋ゲートモール、若者コスメ強化 大規模改装終了

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。