「水分補給でステンレスボトルを持ち歩く機会が増えるので、便利さを実感してほしい」と話す象印マホービンの荻田比呂さん=2024年4月、大阪府大東市

 パッキンを付けたり外したりする手間がなく、洗いやすい―。象印マホービンのステンレスボトル「シームレスせん」シリーズは、ふたの内側のせんとパッキンを一体化した。外す必要がないため付け忘れることもない。(共同通信=川村剛史記者)

 2020年、業界初の商品として発売。今年4月時点で累計出荷本数は650万本を突破した。販売価格は、容量480ミリリットルの「SM―ZB48」が3608円(価格は2024年5月時点)。

 一般的な水筒は、水漏れを防ぐためにふたと本体の間に、取り外し可能なパッキンを挟み込む構造だ。だが洗うたびにパッキンを外す手間がかかり、付け忘れたり、ずれて漏れたりするのが悩みの種だった。

 「シームレスせん」シリーズの企画開発を担当する象印マホービンの荻田比呂さん(26歳)は「家族が1人ずつ水筒を使い、洗い終わって『このパッキンは誰の水筒のもの?』と迷う人も。企業として何ができるか、長年考えていました」と話す。

 付け忘れ防止ができるタイプを開発したこともあるが、装着の手間が複雑に。利用者の意向を探るうち「シンプルな構造」が大事だと気付いた。「基礎研究の成果で一体化が可能になりました。これが求められた答えだと商品化を決めました」

 アンケートでは97%が「満足」と回答。片手で開けられるワンタッチ型や持ち手があるタイプ、スープジャーなど幅広い年代に合わせた商品がそろう。「快適に使えて日々の水分補給に便利です」。

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