字幕の翻訳や編集の工程を自動化し、人手でかかっていた作業時間を大幅に短縮できる

企業向け電子マニュアル作成ソフトを手掛けるスタディスト(東京・千代田)は、撮影した映像から多言語の動画マニュアルを生成AI(人工知能)が短時間で作成する新機能を27日に追加する。字幕の生成や編集の工程を自動化し、人手で約2時間かかっていた作業時間を15分程度に短縮できる。外国人作業員を多く抱える大手企業からの需要を見込む。

利用者はまず、マニュアルにする作業を口頭で説明しながら実演した映像をスマートフォンなどで撮影する。ソフトに映像を読み込ませると、AIが人の声を認識して字幕にする。音声入力と字幕生成は日本語、英語、ベトナム語、タイ語の4カ国語に対応する。

読み込んだ映像は作業工程ごとにAIが分割し、ウェブ上などで閲覧する電子マニュアル向けに切り出すことができる。手順ごとのタイトルや説明文も、字幕の内容を基に自動で生成する。一度作成したタイトルや説明文はミャンマー語やマレー語など20カ国語に自動翻訳できる。AIが作成した内容の編集・修正も可能だ。

利用料金は1社あたり月額2万円(税別)から。2025年2月末までに200社への導入を目指す。試験版では動画マニュアルの作成時間を8割超短縮できたという。人の手によるマニュアル整備は、作成者の技量によって品質がばらついたり、長い編集時間がかかったりしていた。

スタディストは10年に設立したスタートアップで、動画を特定の内容に沿って適切に分割する技術で特許を持つ。13年から提供している電子マニュアル作成ソフトの導入社数は、イオンやすかいらーくホールディングスなど2000社を超える。

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