幹線道路の若宮大通を走る自動運転車両(23年12月、名古屋市)

愛知県は10日、10月から名古屋市内で自動運転車両の定期運行を始めると発表した。同月に開業する県の新興育成拠点「ステーションAi」と名古屋駅付近を結び、ステーションAiの施設利用者を運ぶ。県によると、交通量が多い都市部の幹線道路で一般車両と同じような速度で走る自動運転車両の定期運行は全国初という。

定期運行はNTTドコモなどの企業グループに委託する。北米を中心に35万回以上の自動運転走行の実績を持つ米メイ・モビリティーの日本法人が車両を提供し、名鉄バスが運行支援を担う。車両はトヨタ自動車のミニバン「シエナ」をベースにした車両1台を使う。運転席に人が乗り、状況に応じて操作する「レベル2」の自動運転となる。

10月から2025年3月中旬までの平日に1日6往復を運行する。運行ルートは名古屋駅付近とステーションAiを結ぶ若宮大通を中心とした公道で、乗客はステーションAiの施設利用者に限る。事前予約制で料金は無料。1便に5人程度乗れる。運行ダイヤや発着場所、予約方法など詳細は今後詰める。

県は16年度に自動運転の実証実験を始めた。23年12月には制限速度上限が時速60キロメートルの若宮大通を一般車に交じって走行した。大村秀章知事は10日の記者会見で「自動運転のさらなる高度化、社会実装をめざした取り組みを加速する」と強調した。

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