社内規定作成のクラウドサービスを手掛けるKiteRa(キテラ、東京・港)は上場企業の内部統制の構築・運用を効率化するサービスを年内に始める。社内規定を変更した際に内部統制への影響を人工知能(AI)が分析し、修正が必要な文書の項目を指摘する。コンプライアンス(法令順守)違反など不祥事が相次ぐ中、最新技術を生かして企業のガバナンス対応を支援する。
事業拡大に備えて、あおぞら企業投資、静岡銀行など5社から新株予約権付き融資や借り入れで約10億円を調達した。調達資金は内部統制支援を含む「ガバナンステック」事業の展開や社内規定作成クラウドサービスの拡大に充てる。
金融庁が企業の不正会計を防ぐために上場企業に報告書の提出を義務付けている「内部統制報告制度(J-SOX)」では「フローチャート」「業務記述書」「リスクコントロールマトリクス」と呼ばれる文書を作成することが求められる。法律が変わったり、社内規定を変更したりするとこれらの文書を更新する必要がある。担当者が手作業で対応することが多く、負担が重かった。
新サービスでは独自に構築するAIを活用して社内規定で変更した箇所がJ-SOX上のどこに影響を与えるのかを検知する。文書同士の関連度合いを分析したり、内部統制監査を担う監査法人と連携したりするような機能も盛り込む。
2024年12月をめどに開始する予定で、25年に上場企業100社への導入をめざす。キテラの植松隆史代表は「25年度はガバナンス関連で会社全体の収益の10%を稼げるようにしたい」と話す。
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