マクセルの中村啓次社長は株主還元に注力すると語る(5日、東京都千代田区)

電池大手のマクセルは5日、最大50億円の自社株買いを実施すると発表した。発行済み株式総数(自己株式を除く)の8.2%にあたる375万7000株を上限に市場から買い付ける。

PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回るなか、還元強化で企業価値の向上を図る。取得期間は6日から25年1月30日までで、取得した株式は全株消却する。

同日発表した27年3月期までの3カ年の中期経営計画で、自己資本利益率(ROE)を前期比1.5ポイント高い10%に引き上げるとした。3年間累計の総還元性向を100%以上とする目安を掲げ、自社株買いはその一環となる。中計期間中に1倍を超えるPBRを目指す。

27年3月期の連結売上高は前期比16%増の1500億円、営業利益は同48%増の120億円を目標とした。医療機器向けの1次電池などの販売を伸ばす。同日の説明会で中村啓次社長は「収益の向上と株主への還元を、両輪で回す時期に差しかかっている」と述べた。

中計期間中に、前の3年間に比べ2倍超となる約350億円を成長投資に振り向ける。工場で使うロボットアームに使われる電池の開発などに投資する。取引時間中に株主還元強化の方針が発表されたことで、マクセル株の終値は前日比5%高の1818円となった。

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