日本政策投資銀行岡山事務所(岡山市)は、岡山市の中心市街地の来訪者数について新型コロナウイルスの流行前後で比べた調査結果をまとめた。国内客やインバウンド(訪日外国人)の回復はリニューアル効果のあった岡山城エリアに限定され、近隣に波及していない実態が明らかになった。

調査は2019年5〜12月と23年の同期間を比較した。「岡山駅・奉還町」「岡山後楽園」「岡山城」「中心飲食街を含む1キロメートル四方」の4エリアについて、携帯電話の位置情報をもとに30分以上の滞在者を分析した。

インバウンドは岡山城ではコロナ前比で99%まで回復したが、4エリア全体では65%だった。岡山桃太郎空港の発着便の再開が約6割にとどまる影響が大きい。時間帯では「朝」「昼」に比べ「夜」「深夜」の来訪者が戻らず、飲食や宿泊の需要は鈍いもようだ。周遊範囲は半径4キロメートル圏内が限界との傾向も出た。

国内客は岡山城エリアがコロナ前比で8%増えた。残る3エリアはコロナ前の7〜8割水準で、後楽園エリアでは近隣の岡山城エリアからの誘客が十分でない。同事務所は集客拡大へ「岡山城エリアを生かした周遊促進、インバウンド向けの飲食や宿泊の発信強化やサービス向上が期待される」とする。

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