中国での液晶パネル用薬液の生産販売から撤退する(安徽省合肥の拠点)

住友化学は16日、中国で液晶パネル製造工程に使う薬液事業から撤退すると発表した。生産販売を手がけるグループ会社2社を、中国の電子材料メーカーのルンジンテックに売却する。住友化学は石油化学や医薬品の不振で業績が悪化しており、事業の売却や撤退を進めている。売却で得た資金を負債の返済などあてる。

売却するのは安徽省合肥市と重慶市にある2社。住友化学グループが持つ全株式を5月31日付で譲渡する。売却額は非公表。液晶パネルの製造工程で使い、回路形成の過程で不要な部分を取り除く薬液などを製造している。中長期的にみて安定的な収益が見込めるものの、原料価格の高騰などを踏まえ中国での事業から撤退する。韓国での生産は続ける。

住友化学が手がけるディスプレー向け材料の中では、光を調整して映像を鮮明に映す部材「偏光板」が主力だ。同社は石化事業などで収益が落ち込み、今期(2025年3月期)までの2年間で約30件の事業で売却や撤退、縮小を検討している。売上収益で約2700億円分にあたり、今回の売却を含め3分の1程度進んでいる。

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