電力大手10社は30日、7月請求分(6月使用分)の電気料金が、標準的な家庭で前月に比べて346~616円値上がりすると発表した。全社が値上がりするのは3カ月連続。政府が物価高騰対策で行ってきた補助制度が6月請求分で終了することが響く。冷房などで電気の消費が増えやすい夏場の家計を直撃することになる。
ガス大手4社も同日、7月分の料金が95~121円上昇すると発表した。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の急激な上昇を踏まえ、政府は2023年2月請求分から電気・ガス代の負担を抑制する補助制度を開始。当初は1キロワット時当たり7円、1立方メートル当たり30円をそれぞれ補助していたが、段階的に縮小し6月分で打ち切られる。
東京電力の7月分の料金は前月比392円高い8930円と、過去最高だった22年9月~23年1月の9126円に迫る。全国で最も高い沖縄電力は、616円高い9663円と1万円の大台に近づく。
関西電力は7664円、九州電力は7551円と、前年同月との比較では40%超上昇。他社も14~25%程度高くなる。補助制度終了に加え、再生可能エネルギーでつくった電気の買い取り費用に充てる「賦課金」の増加が影響する。
各社は、月間の電気使用量を230~260キロワット時と想定し毎月の標準的な料金を算出している。使用量がこれより多い家庭では、補助終了の影響がさらに大きくなる。政府は、国際情勢の変化などで緊急的な対応が必要になった場合、将来的に補助を復活させる可能性に含みを残している。
東京電力ホールディングス本社=東京都千代田区
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