内閣府が29日に公表した5月の消費動向調査で、今後半年間の消費の見通しを示す消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)が、前月より2.1ポイント低い36.2となった。低下は2カ月連続で、内閣府は基調判断を前月までの「改善している」から「改善に足踏みがみられる」に引き下げた。判断の下方修正は8カ月ぶりとなる。

 「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4指標で、見通しを聞いて指数を出す。4指標とも5月は前月に続いて悪化したという。一方、1年後の物価の見通し(2人以上の世帯)については「5%以上の上昇」との回答が46.9%を占め、3カ月連続で増加した。

 今年の春闘の賃上げ率は平均5%を超える高水準とされるが、消費を促す効果に疑問符がつく結果となった。内閣府経済社会総合研究所は「大型連休中のホテルなどの宿泊料の高騰も影響した可能性がある」とみている。(内藤尚志)

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