日銀は29日、昨年度1年間の決算を発表しました。

それによりますと、大規模緩和策の一環として買い入れを続けてきたETFの保有額は、ことし3月末の時点で時価で74兆4982億円でした。

前の年の同じ時期より20兆円余り増え、このところの日本の株価の上昇傾向が反映された形です。

この結果、簿価との差のETFの「含み益」は、37兆3120億円と前の年の同じ時期と比べて2倍余りに膨らみ、年度末として過去最大となりました。

日銀が保有するETFをめぐっては、政策の財源とする案などさまざまな活用策が浮上していますが、日銀の植田総裁は、取り扱いの方針を時間をかけて決める考えを示しています。

一方、日銀の国債の保有額はことし3月末の時点で国庫短期証券を含めて589兆6634億円と前の年の同じ時期と比べて1.4%増加し、年度末としては過去最大でした。

国債の買い入れは、ことし3月に大規模な金融緩和策を転換したあとも続いていて、市場では、日銀が国債の買い入れを減額する時期が焦点となっています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。