名古屋大学と岐阜大学を運営する東海国立大学機構は29日、名古屋大の東山キャンパス(名古屋市)に整備した産学連携拠点「Tokai Open Innovation Complex(TOIC)」の完成記念式典を開いた。企業との共同研究などによるオープンイノベーションを進め、大学発スタートアップを育成する。
TOICは総工費約15億円で東山キャンパス内に建設した。7階建てで、1階と2階に会員制のコワーキングスペースやイベントを開催できるスペースを整備した。2階には東海機構に関連する起業前後のスタートアップが活動するエリアを設けた。個室も用意し、法人登記の住所として使える。
学内の研究機関や起業支援組織、製造業を中心とした地元企業のほか、10月に開業する愛知県の「ステーションAi」や名古屋市の「なごのキャンパス」といったスタートアップ育成拠点との連携も模索する。岐阜大学の柳戸キャンパス(岐阜市)には「TOIC GIFU」が2月に先行開業している。
東海機構の松尾清一機構長は29日の式典で「知の価値化と社会還元を組織的・戦略的に進める開かれた拠点として、東海機構がハブとなってオープンイノベーションを推進する」と強調した。
TOICは経済産業省の予算を活用して整備した。経産省の川上悟史・大学連携推進室長は「東海地域は世界に冠たるものづくりの拠点。この地域でイノベーションを起こすことは日本経済が成長軌道にのるカギになる。東海機構の総力をあげてイノベーションを起こしてほしい」と呼びかけた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。