記者会見する大松社長(28日、岐阜市)

岐阜プラスチック工業は28日、米インディアナ州に海外で初となる工場を建設すると発表した。米国の現地企業向けに物流用パレットなどの製造販売を始める。日本で培った製品作りやサービスのノウハウを生かして米国に進出し、2028年に現地で60億円の売り上げを目指す。

新工場はインディアナポリス近郊で25年9月に竣工を予定する。投資額は28年までの6年間で約6千万ドル(約95億円)を見込む。同社は23年に現地法人「RISU AMERICA(リス アメリカ)」を設立し、現地で販路を探ってきた。日系企業を含め多くの顧客が獲得できたことから工場建設に踏み切る。

13人のエンジニアを日本から派遣し、当初は日本の技術者が中心となって生産する。品質やリサイクル材の活用などの環境配慮、納期の安定を武器に現地勢との違いを打ち出す。まずパレット生産から始め、徐々に他の物流資材に広げる計画だ。

岐阜プラスチックが米国に建設する新工場のイメージ

同社によると、米国のパレットの市場規模は約2350億円と日本の5倍近い。28日記者会見した大松栄太社長は海外進出先に米国を選んだ理由について「日本と同様にドライバー不足が起きている。(積載効率を上げる)パレットの市場が伸びており、人口も増えている」ことを挙げた。

同社は24年3月期に1111億円だったグループ売上高を29年3月期に1500億円に伸ばす目標。大松氏は「日本の人口が減少していくなか、成長の機会を海外に求めたい」と話す。

岐阜プラスチックが国内で販売する物流用パレット

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