約3割を輸入に頼る加工・業務用野菜の国産化を進めようと、農林水産省が農家や加工業者らと「国産野菜シェア奪還プロジェクト推進協議会」を設立し、4月から活動を始めた。輸入相手国が中国など一部に偏る現状は食料安全保障の観点で問題があるという危機感から、年間を通じて切れ目なく国産野菜を供給できる産地づくりを目指す。
加工・業務用野菜は主に外食や総菜向けに使われる。1990年時点では88%を国産で賄っていたが、2020年は68%まで低下した。日本の業者が海外からの仕入れを増やしたためとみられ、現在も国産野菜が97%を占める家庭用とは大きな乖離がある。
21年度の野菜の輸入状況を見ると、生鮮状態のタマネギやネギ、ゴボウの9割、冷凍のブロッコリーの5割を中国産が占めている。輸入元が偏る状況は海上輸送の停滞など何らかの理由で供給が途絶えるリスクを抱え、国産による安定供給確保が重要な課題となる。
協議会は今後、野菜の品目ごとに必要とされる供給の量や時期、課題を洗い出し、生産や流通現場の連携強化を図る。
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