日立建機は27日、電動の建設機械を開発する拠点を千葉県市川市に設立した。電動建機はディーゼルエンジンで動く従来の建機に比べて騒音が小さく、排ガスも抑えられる。欧州では電動建機市場が日本より早く成長し、同社も4種類を販売・レンタルしているが日本ではまだだ。新拠点で顧客との接点を増やして普及を目指す。

開設したのは「ゼロ・エミッション・EVラボ」。建機の電動化が進むノルウェーの建設現場を再現したデモエリアを設けた。日立建機が独企業と共同開発した3種類の電動建機や、持ち運べる充電設備などを設置している。顧客やパートナー向けに見学や議論に使うスペースも用意した。新拠点は今後2年間活用する。

同社の電動建機は、急速なら約75分、通常は約120分で充電できる。作業内容によるが一度充電すると4時間半連続稼働する。ディーゼルエンジンが1度燃料を入れると数日稼働するのと比べると短いが、作業現場の昼休みの時間帯などに充電してもらう考えだ。

伊藤忠商事やいすゞ自動車、九州電力などが同拠点を共同で利用する。デモエリア内にはいすゞの小型EV(電気自動車)トラックも設け、建機以外にも建設現場で使う車両の脱炭素に取り組む。

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