日本フードサービス協会(東京・港)が発表した4月の外食売上高(全店べース)は、前年同月比6%増となった。プラスは29カ月連続。宴会需要の回復が続いているほか、インバウンド(訪日外国人)客増が底上げした。桜の開花が大半の地域で前年より遅れて飲み会などの需要が4月にずれ込んだ影響もあった。
客数は3%増と29カ月連続で前年超えとなった。新型コロナウイルスの5類移行により外出機会が増えた効果が続く。客単価も2.9%増と31カ月連続で上昇した。物価高は続き節約志向は強いが、ファミリーレストランなどで実施する客当たりの注文数を増やす施策の効果があった。
業態別ではファストフードは引き続き好調で5.4%増だった。北海道産チーズ使用のバーガーなど付加価値が高いメニューが好調だった。
パブ・居酒屋は人流回復が続き5.7%増だった。23年は大半の地域で3月中旬に開花していた桜が、24年は多くの地域で3月末以降にずれ込んだ。宴会需要自体の回復に加え、桜関連の需要が4月にずれ込んだことが売上高を底上げする要因となった。
ファミリーレストランは7%増。「和食ファミリーレストラン」で花見や歓送迎会需要があった。ディナーレストランも花見などをきっかけに訪日客の来店が増えた。
物価高で低価格品を重視する一方、ハレの日などには高付加価値品を求める選別消費の傾向は外食でも強まっている。外食業界の関係者からは「高付加価値メニューの需要は根強い。お得なメニューと高価格品の両方を戦略的に持つ企業が増える」との見方も出ている。
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