JERAは企業のグリーントランスフォーメーション(GX)を一括して支援するサービスを始める

発電最大手のJERAは27日、米コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーと連携し、グリーントランスフォーメーション(GX)支援サービスを6月から始めると発表した。再生可能エネルギーの調達や管理などのノウハウを提供し、企業の脱炭素を後押しする。2027年までに70社の事業者のGXを支援する目標だ。

新会社「JERA Cross(ジェラ・クロス)」を設立し、企業のGX戦略を立案段階から支援する事業を始める。各社の戦略に合わせて再生エネの調達を仲介し、JERAが保有する太陽光発電を通じた売電も手がける。戦略から電源調達まで一括で支援する。

ジェラ・クロスには米マッキンゼーの人材も加わり、個別企業の経営課題に基づいて助言サービスも提供する。例えば、再生エネの費用対効果や脱炭素の進展を中長期のシナリオ分析などを通じて示す。

ジェラ・クロスは3月に電力小売りのライセンスを取得した。JERAが国内で手掛ける太陽光発電などを活用した電力を支援先に売ることも計画する。再エネ電源の利用を1時間単位で証明し、企業が二酸化炭素(CO2)の排出を把握できるサービスも提供する。

供給する電力の電源構成や金額は顧客に応じて異なる。電力企業が助言業務にまで関わることは珍しい。これまでの電力業界では発電などを担うプロデューサー(生産者)と、電力を購入するコンシューマー(消費者)の2つに分かれていた。

近年では事業会社が太陽光発電など再生エネを手がけることが増えている。JERAも今後の成長に向けて発電や卸売りに頼るビジネスモデルからの変革が求められている。JERAは「海外では再生エネの電源構成などの戦略立案は自社でコンサルタントを雇っていることが多い」と指摘し、国内の事業者を顧客として想定する。

国連が主導して24時間、カーボンフリー電力の100%調達を目指す取り組みを始めるなど、脱炭素への意識が高まりつつある。ジェラ・クロスも24時間365日、CO2を排出しない電力を安定供給するなどして支援先企業の課題解決に取り組む考えだ。

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