秩父鉄道は乗客の減少を受けて運賃引き上げを決断した

秩父鉄道は旅客運賃を10月に引き上げると発表した。初乗り運賃は170円から200円に引き上げる。運賃引き上げは1996年以来となる。沿線人口の減少を背景に利用低迷が続き、現行の運賃水準では鉄道事業の維持が困難と判断した。

国土交通省関東運輸局に料金改定を申請した。申請通り認可されれば、現行の運賃170円〜1070円から200円〜1200円へ引き上げる。通勤定期(大人1カ月)の運賃も6250円〜2万1900円から7560円〜2万6910円に引き上げる。通学定期券に関しては現行運賃を維持する。

秩父鉄道は埼玉県北部を東西に結ぶ路線(羽生駅〜三峰口駅)を運営する。輸送人員は1996年度の1110万人から減少の一途をたどり、2020年度の利用者は529万人まで減った。新型コロナウイルス禍による外出の自粛も追い打ちをかけており、22年度の旅客収入は18年度の85.7%にとどまる。

同社は「設備の更新などへの投資は今後も続き、電気料金の上昇などでコストが増大している」とし、値上げへの理解を呼びかけている。

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