記者会見に参加した関電工の仲摩俊男社長(左)とYKKAPの魚津社長(24日、東京都内)

YKKAPは24日、太陽光パネルを取り付けた「発電する窓」の開発で関電工と提携したと発表した。軽くて曲げることができるペロブスカイト型太陽電池などを取り付けた建材を開発し、オフィスビルで発電できるようにする。2026年の市場投入を目指す。太陽光では大規模開発できる適地が不足するなか、既存のビルを活用することで設置場所の拡大につなげる。

商品開発はYKKAPが担い、発電システム全体の開発を関電工が担う。建材は既存ビルでも簡単に設置できる内窓タイプと、壁面部分のみに太陽光をとりつけるタイプの2種類を開発する。太陽電池は外部から調達する。

YKKAPの魚津彰社長は同日の記者会見で「窓で断熱できる機能を持ちながら、発電できる商品にする」と話した。まずは24年度内にも実証実験を始める計画で、室内の明るさや内窓に取り付けても効率よく発電できるかなどを検証する。

国内の太陽光発電の発電割合は22年度が9.2%だが、政府は30年度に最大16%に引き上げる計画を掲げる。YKKAPの試算では国内の既存ビルだけで520万キロワット規模の市場があるという。太陽電池つきの窓で設置場所が大きく増えれば、再エネ普及の底上げにつながる。

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