埼玉県の企業や金融機関などで構成する一般社団法人の埼玉ニュービジネス協議会(埼玉NBC、さいたま市)はこのほど、起業家らの優れたビジネスアイデアを表彰する「埼玉ニュービジネス大賞」を発表した。野菜を効率よく選別するロボットを開発した川越市の塩川武彦さんが大賞に輝いた。高齢化が進む農業現場で普及を目指す。
塩川さんの開発した「ロボせんか」は重量2.2キログラムの小型ロボットだ。計量皿に載せた野菜などの重さを自動で計り、重さに応じて傾く方向を変えながら各コンテナに振り分ける仕組み。
2023年11月に川越市で未経験の作業員がロボを使い、サトイモ3キログラムを選別するテストをした。ベテランの農家が手動で選果する場合と同等の速度だった。選別の誤差は1グラム未満で、ミスも減らせる可能性がある。
塩川さんは農家として30年以上仕事をしてきた。ロボせんかは特許も取得しており、今後は量産に向けた資金調達などを検討する。21日の表彰式で「農家にとって相棒になってもらいたい」と話した。埼玉NBCの久礼亮一会長は「人手不足に悩む農業はもちろん、様々な分野に応用できるのではないか」と期待を込めた。
同賞は2回目。審査は「事業の新規性・革新性」「経済・社会・地域への貢献・波及効果」など5つの基準で実施した。優秀賞にはスポーツ学童のサービスを展開するSAL(さいたま市)の清水郁也さん、アイデア賞にサブスクリプション型の創作物公開プラットフォームを考案した川上武士さんが選ばれた。
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