きらやか銀行(山形市)と仙台銀行を傘下に持つじもとホールディングス(HD)=仙台市=が実質的に国の管理下に入る見通しとなったことが20日、分かった。金融庁が議決権の63%を取得する。9月に期限を迎える公的資金の返済が困難となっていた。国が金融機能強化法に基づき地銀の議決権の過半を取得するのは初めてとなる。
2024年3月期の上場地銀決算では増益となったグループが約7割に上った一方、業績低迷にあえぐ地銀も多い。じもとHDの国管理下入りは地域経済の厳しさを浮き彫りにしている。
じもとHDは24年3月期連結決算の純損益が234億円の大幅な赤字となり、鈴木隆社長と川越浩司会長が引責辞任する方針を発表している。国の管理下に入ることで後任の人選などは金融庁が決定権を握ることになりそうだ。
じもとHDは金融機能強化法に基づいて国から公的資金の注入を受け、「優先株式」を発行した。配当を優先して受け取れる代わりに議決権がない仕組みだが、無配となった場合には一時的に議決権が発生する。
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