ピーチルイボスティーやレモンV.Cなど計6種類の味を用意した

味の素AGFは水筒専用に設計した粉末ドリンク「ブレンディマイボトルスティック」シリーズを発売した。マイボトル用の商品は同社初。500ミリリットルペットボトル飲料からの切り替えを狙い、節約志向や環境に配慮したい消費者の需要を取り込む。

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ブレンディマイボトルスティックではピーチルイボスティーやマスカットルイボスティー、ジャスミンティーなどのお茶系と、ナトリウムが含まれており熱中症対策としても期待できるレモンV.C、アセロラV.Cの計6種類の味を用意した。

スティック状の袋に個包装されており、1袋あたり2〜4グラムの粉末が入っている。350〜500ミリリットルの水やお湯に溶かして飲む。同社は主力ブランド「ブレンディ」などから粉末飲料を展開してきた。これまでコーヒーなどを出してきたが、マイボトル向けの商品を開発したのは初めてだ。

開発にあたり、着目したのはマイボトルの保有率と利用率だ。同社が2023年10月にインターネットで調査をしたところ、国内の家庭ごとのマイボトル保有率は7割ほどで保有総本数は1億1000万本ほどにのぼった。ただ、1年以内の使用率は推計で57%だった。同社は使われないまま家庭内に眠るマイボトルに潜在的な需要があるとみた。

商品開発で最もこだわったのが粉末を溶かす時の水分量に幅を持たせても味わいを損なわせないことだった。従来のコーヒーカップで飲むインスタントコーヒーなどの粉末飲料はお湯の量が140〜180ミリリットルの間と決められている。

ただ、マイボトルの大きさは様々だ。そこで、水の量を量らなくても飲めるようにスティック1本あたり350〜500ミリリットルの間で溶かせるようにした。なおかつ、水分量が違っても風味を損なわないように開発した。空のマイボトルを会社に持って行き、浄水器で粉末を溶かして飲むといった使い方などを想定している。

味わいはすっきりめに仕上げた。マイボトルの飲料はその場で一気に飲むのではなく、ゆっくり時間をかけた飲み方が一般的なため、飲みやすく、しつこくならないようにした。

同社は消費者の節約志向や環境に配慮する心理が商機につながるとみる。マーケティング第1グループの三橋祐太郎グループ長は「500ミリリットル前後のペットボトルからの切り替え需要を狙っている」と話す。

飲料各社が値上げを進めており、500ミリリットルのペットボトル飲料は150円前後に。一方、ブレンディマイボトルスティックは1箱6袋入りで300円前後での販売を想定しており、1本あたり50円で飲める計算になる。価格を抑えつつ、ペットボトルのごみを削減したい消費者にも訴求していきたい考えだ。

売り上げ目標は非公表。3月の発売以降、「商品カテゴリーとして認知が低いわりに、初速は他の商品並みに売れている。想定以上に順調だ」(同社)という。今後、フレーバーを増やしていきたい考えだ。三橋氏は「マイボトル用の粉末飲料がAGFの事業の柱となるよう育てていきたい」と意気込む。

(鷲田智憲)

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