北海道十勝地方と首都圏を結ぶ、コンテナ船の新しい定期航路が就航した。17日、広尾町の十勝港で初接岸した船を前に、セレモニーが開かれた。トラックの運転手不足や北海道新幹線延伸に伴う並行在来線貨物への影響が懸念される中、新しい物流ルートに農業関係者から期待の声があがった。

 十勝港への定期航路は2006年以来。航路は内航海運大手の井本商運(神戸市)と、世界の主要港への航路を持つ香港の大手物流会社「オリエント・オーバーシーズ・コンテナ・ライン」(OOCL)が共同で開設。週1便、十勝港から釧路港経由で京浜港(東京・神奈川)を結ぶ。

 この日のセレモニーで、OOCL日本支社の藤江成宏・日本代表は、今回の定期航路が同社のネットワークの一部として国内だけでなく世界中の港とつながっているとし、「北海道の物流に貢献できるような提案をさせていただきたい」と述べた。

 十勝地区農協組合長会の有塚利宣会長は取材に、物流の「2024年問題」によるドライバー不足や新幹線延伸にともなう並行在来線貨物の存廃問題など農産物輸送が抱える問題を挙げ、「新しい物流ルートができ、国内有数の食料生産地の生産者たちが安心して農業を進めることができる。また、ナガイモなど十勝の産品がさらに世界に運び出しやすくなる。生産者にとって大きな励みだ」と話した。(中沢滋人)

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