電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は17日の定例記者会見で、国の次期エネルギー基本計画で原子力の役割を見直すよう求める方針を示した。今の計画には「可能な限り依存度を低減」と記されているが、最大限活用する方向へ表現を改めて、新増設やリプレース(建て替え)の必要性も明記するよう求める。
経済産業省の有識者会議は15日から計画改定の議論に着手した。林会長は電気代の抑制やエネルギー自給率の向上には「原発の有効利用が欠かせない」として、国に原発を継続して使える環境を整えるよう求めていくと説明した。
資金調達への支援も求める。林会長は民間だけで安全対策や新増設の投資を賄うのは「限界がある」として、投資回収の予見可能性を後押しする制度の新設を求めた。
原発事故により生じる損害を事業者が金額の制限なく賠償する現行法の枠組みも再考を促す。林会長は「資金調達や新たな事業参入の障壁になっている」と述べ、責任のあり方に関する議論を深めるよう求めていく。
新たな計画では現行計画の期限より10年先となる40年度の電源構成目標も策定する。林会長は「将来の趨勢を決め打ちするのは難しい」として、複数のシナリオを策定するなど柔軟性のある計画にするよう求めた。
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