16日のニューヨーク株式市場でダウ工業株平均が一時、史上初めて4万ドルの大台を超えた。景気が大きく低迷せずインフレ(物価高)が落ち着く「軟着陸」への期待から株式が買われた。バイデン米大統領はX(旧ツイッター)で「これは米国の年金口座にとっての朗報で、米国経済に対する自信の表れでもある」と投稿。株高を歓迎した。
取引終盤にかけては利益を確定する売りもあり、ダウは前日より38.62ドル(0.10%)安い3万9869.38ドルと3日ぶりに下落して取引を終えた。
バイデン政権下の2022年夏に前年比で9%を超えた米国の激しいインフレ率は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げなどで足元では3%台まで鈍化した。さらに、直近4月の米消費者物価指数(CPI)が減速したことで、FRBが早期に利下げし、底堅い景気を保ったままインフレを収束できるという期待が広がり株式が買われた。
新型コロナの感染拡大でダウ平均は20年3月に一時、2万ドルを割り込んだ。だが、FRBによる金融緩和や米政府の巨額の財政出動で株価は急速に回復。ワクチン開発への期待から20年11月に初めて3万ドルを超えた。そこから約3年半で4万ドルまで伸びた。(ニューヨーク=真海喬生)
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