業務用プリンター大手のローランドディージー(DG、浜松市)は16日、米ファンドと組んだ経営陣による自社買収(MBO)が成立したと発表した。今後、臨時株主総会を経て、上場廃止となる見通しだ。MBOをめぐっては、ブラザー工業(名古屋市)が対抗して株式公開買い付け(TOB)をすることを表明していた。
ローランドDGによると、米ファンドは株式の75.07%を取得し、筆頭株主になる。
ローランドDGは今年2月にMBOの実施を表明した。これに対し、ブラザーが3月に同意のないまま1株5200円でTOBすると発表した。
ローランドDGは、「(ブラザー製品の)品質面で懸念がある」「(自社の)人材が大量に離反する懸念がある」などと反発。MBOに伴う株式の買い付け価格を、1株あたり5370円に引き上げた。
ブラザーは今月に入り、TOBの価格を引き上げないことを表明。事実上、買収を断念していた。(江口英佑)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。