主力のトラクターなど農機が苦戦する一方で建機は好調だった

クボタが10日発表した2024年1〜3月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比6%増の729億円だった。同期間で過去最高を更新した。建設機械が最大市場の米国で好調だったほか、預金利息の増加や税負担の一時的な減少が寄与した。主力事業の農機は米国や欧州で需要が減り苦戦した。

営業利益は微減の1029億円だった。製品やサービスの販売減が利益を223億円押し下げる要因になった。米国で庭作業用の小型トラクターの需要が低迷した。クボタは「景況感の停滞が続く」と説明する。鋼材など原材料価格の高騰も37億円の減益要因になった。値上げやドル・ユーロに対する円安が利益を押し上げたが補えなかった。

売上高は7752億円と1%減った。日本市場は原価上昇が響きトラクターなどが苦戦し6%減収だった。北米市場は5%増収を確保した。トラクターの販売が低迷したが、土砂の運搬や整地に使う機械を中心に建機が好調だった。

機械別では農機・エンジンが3%減の5132億円、建機は7%増の1669億円だった。北尾裕一社長は3月に開いた株主総会で「建設機械は北米やアジアなどでポテンシャルが高く、クボタを支える中核の事業になる」と話していた。

24年12月期通期見通しは従来予想を据え置いた。売上高で前期比1%増の3兆500億円、純利益で5%減の2260億円を見込む。

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