財務省が10日発表した2023年度の国際収支(速報)は、貿易や投資による海外とのお金の出入りを示す経常収支が、25兆3390億円の黒字で過去最大となった。資源高が一服して貿易赤字が大幅に圧縮されたことで、経常黒字は前年度の2.8倍になった。
自動車を中心にモノの輸出は好調で、前年度に比べ2.1%増の101兆8666億円、輸入は10.3%減の105兆4391億円だった。貿易赤字は3兆5725億円で過去最大だった前年度の17兆7869億円から縮小した。海外子会社から企業が受け取る配当金など、海外投資からのもうけを示す「第1次所得収支」の黒字は円安も影響し、過去最大の35兆5312億円だった。
訪日外国人客が大幅に増えたことで、旅行収支は4兆2295億円(前年度比3.6倍)の黒字。一方、海外のネットサービスの利用増による「デジタル赤字」は拡大し、過去最大の約5.4兆円の赤字に。サービス収支全体では2兆4504億円の赤字だった。
同時に発表した3月の経常収支は3兆3988億円の黒字(前年同月比44.0%増)だった。
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